【記者魂90】有給休暇取得を厳格化、どこまで現場を考えているのか・・・

2015年1月9日

2、3日前に有給休暇の取得を厳格化するとの報道があった。これを報じた読売新聞によると、通常国会において政府が提出する労働基準法改正案の中で、企業に対して従業員がいつ有給休暇を取得するか時期を指定することを義務づけ、確実に取得させるという。

現行の法律でも、企業は従業員に有給休暇を取得させなければならないと定めているが、従業員が自ら時期を指定して請求することを前提としており、従業員が請求しなければ、企業は有給休暇を与えなくても違法ではなく、これが取得率が低迷する要因になっている。

自分のサラリーマン時代の経験では、若い頃は「休みをたっぷり取ったら叱られる」━━そんな雰囲気があり、どちらかと言えば有給取得を躊躇していたように思う。しかし、仕事の責任が重くなるにつれ、休みなど取っている暇などないと思うこともしばしば。しかし、それでは良くないということで、会社からの”御触れ”で取らざるを得ない休暇を意味なく取ったりもした。自分の経験だけでモノを言えば、果たしてすべての労働者にとって厳格化が良いことなのだろうか。

もちろん、取りたいのに取らさないようなブラック企業を無くす点では、意味があるのだと考えている。しかしながら、たとえば少人数で納期に追われる中小企業にとって、”強制的な有給取得”がいいことなのか疑問に思う。さらに、先ほど「忙しくて取る暇もない」状況で結休取得を義務化すれば、時間外労働の上限超過、それに絡む割増賃金の未払いなど起きないとも限らない。こうした点を踏まえての法案であるのか注視する必要がありそうだ。

この記事を読んでいて、かつて民主党が政権を担う前にマニフェストの記していた「最低時給1000円」を思い出した。当時記者だった私は、中小企業のオーナーなど街の声を拾ったのだが、よく聞かれたのは「ただでさえ、今の支払いはギリギリ。時給1000円などにしたら会社は立ち行かない」━━どこまで、世の実態を考慮したのか、一部の大企業や世間のイメージだけで法案作成をしていないか━━どこまで現場のことを考えて法案を作成したのか疑問に感じる部分があった。


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