北海道視察(1)

7月19日から21日までの日程で、北海道へ視察に行ってきました。

当初は、厳しい財政状態にある地方自治体について、かの夕張市を中心に回る予定でしたが、先方との折り合いが付かないため、今後の県政に参考になりそうな施設などをいくつかピックアップして回りました。

北海道でも最大級の複合型福祉施設「クピドフェア」、破綻後に生まれ変わって先行きの事業モデルの参考になりそうな「苫東(旧苫小牧東部開発)」、広大な面積の治安を担う北海道警察本部・・・などです。

このうち印象に残った「クピドフェア」と「苫東」について2回にわたって紹介しましょう。

「クピドフェア」は、岩見沢市にある複合型福祉施設。当初は、重度障害者施設としてスタートしましたが、特別養護老人施設やリハビリテーションセンターなどを併設。道内でも最大規模の施設として知られています。

実は、1度破綻した経緯(1981年)があるこの施設。10年間の再建計画によって再生、今では毎年1000人ほど視察に訪れるほど、モデルケースとも言われる施設となりました。

もっとも特徴的なのは、作業所でしょう。一般的な福祉作業所のイメージというと、文字通り障害者に作業させるため…という様子ですが、「クピドフェア」はそんな感じはしません。立派な1つの企業の工場といったイメージでしょうか。

企業から「クピド」に依頼したい・・・とオーダーが入るほど。ベアリングをはじめ、LED栽培の野菜など、精密機械、マルチメディア、福祉機器、農業の4分野の製造を行っています。

また、福祉機器ではオーダーメードの車椅子の製造といった、エンドユーザーが自分で製造する格好となるなど、一般のメーカーでは真似できないような点もいくつか見受けられます。

生産目標もありますが、その分、作業する人が懸命に働き、施設全体の経営に寄与。福祉として働く場を提供されているのではなく、本当の意味での障害者の自立を図る・・・そんな印象を受けました。

製造される製品のレベルは高く、働いている人も活き活きとした様子。作業所を考える上で、参考例になると思いました。