【記者魂(6)】TPPに関する基本的な考え

2011年11月6日

記者魂最近、TPPに関してのメールをたくさん頂戴している。中には励ましもあるが、大半は筆者がTPP賛成派であることに対する反論だ。感情論や誹謗中傷に終始するものもあるが、理性的に書かれたメールには1通1通、丁寧に返事をするように心掛けている。

ただ、なかなか、それも追いつかないので、筆者のTPPに対する基本的な考えを記すことにした。今回は総論に止めるが、今後も各論について時間が許す限り書いていきたい。

9月議会のTPPに関する意見書は、農業を主眼にしていたため、壇上では農業問題を中心に討論を行ったものの、TPPはそれだけではない。最近では、ネット上でも医療など他の分野でも情報が氾濫するようになっている。

特定の分野のみを取り上げて解説すると、具体性があってわかりやすい。しかし、分野によって日本の有利・不利、賛成・反対両勢力の議論の盛り上がり方に濃淡がある。個人的にも、とりわけ金融分野が日本にとって厳しそうとの印象を持つなど、人それぞれがTPPに抱くイメージが異なるため、何が重要なのか根本だけを取り上げることにした。

賛成する大きな理由は、大雑把に記すと以下に示した2点。

(1)経済における国際化の流れは止められない。

(2)既得権益の排除

まず、(1)は、日本は貿易によって経済発展を遂げてきたのは言うまでもない。そして、今後も貿易に頼らざるを得ない現実がある。それは、石油など必要な資源を輸入せねばならず、そのために外貨を獲得する必要があるからだ。

国の借金の大部分を国内で完結するのも、貿易で蓄えた富を金融機関に預け、それが国債運用に回されている。以上の点からも、輸出で稼ぐ必要があるのは言うまでもない。

世界経済の潮流がグローバリゼーション化する中、国際ルールに沿わねば、日本の製品が売れなくなるリスクもある。この潮流は止められない──そう筆者は見ているのだが、それならば、ルール作りの段階から参加し、少しでもデメリットを除外する努力をする方が建設的と考えている。

もちろん、そこでは弱い分野、安全性の問題など、解決すべき課題は多い。しかし、こうした問題を避けて国際経済の流れから孤立してしまうようなことがあれば、我々の豊かな生活は失われる。痛みは痛みとして十分承知し、トータルで判断して賛成すべきと考えた。

(2)については、TPP参加により、不透明な日本の慣習が少しでも減るとの見方からだ。農業について筆者は、反対の根っこにあるのは、価格の自由化にあるのでは──そう思っている。

コメが入ってくるのが嫌ではなくて、実は、生産者の立場で“決めている”価格が、経済合理性で“決まる”ようになるのが嫌なのではないか。くどくどは書かないが、豊作であるのに需要に見合わない価格で購入──これが健全な姿だと思わない。

建設分野においても、国際ルールのもとでは、今以上に談合は排除されるようになるだろう。医療分野でも、従事者に対する過剰な配慮はなくなることは想像に難くない。

TPPによって、消費者にとってメリットは幅広いが薄いもの、反対に、既得権者にとってデメリットは少数だが深いもの──どちらが当事者にとっては深刻であるか言うまでもないだろう。国民経済をトータルで考えた場合、筆者をはじめ賛成派は、前者のメリットを積み上げた方が、デメリットの積み上げよりも大きいと考えているのだ。

筆者は選挙の際、「一握りの既得権を持つ人が笑う政治はもう止めよう」──そう訴えてきた。(1)の基本的な考えに加えて、TPPに関して既得権の問題が横たわると思う点も賛成する理由なのである。

(水野 文也記す)


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