【記者魂27】挨拶終わってみんなでゾロゾロ

イベントなどでのあいさつは有権者に自分をアピールできる場であり、自分の考えを述べられるので、政治家にとって貴重な機会である。名前を紹介されるだけでもありがたい。そのため、呼ばれた場合、スケジュールを調整して何とかして駆けつけようとするものだ。

目的は“名前を売る”ことなので、あいさつ、紹介が終わると、多忙を理由にすぐ帰ってしまう首長、議員は少なくない。本当ならイベントの最後まで居るのが礼儀とは思いながらも、先に弁解を記せば、週末などは同時刻にいくつもイベントが重なるケースもあり、出来る限り顔を出したいために、途中で失礼してしまう・・・そうした経験は筆者も何度もある。本当に止むに止まれずなのだ。

ただ、自分にとって“おいしい部分”だけ顔を出すのは、あまりにも失礼だろう。やはり、居れるだけは居たいもの。たとえば、スポーツ大会なら最初の試合を観戦、町内の運動会なら1種目くらいは参戦する、そのように心掛けている。自分を売り込むことも重要だが、住民の人々と直接触れ合う時間も大切だからだ。

何で、このようなことを、改めて記したかというと、本日行われたイベントで、あまりにも露骨と感じた光景があったためである。出席したイベントは、圏央道建設推進会議の総会。関係する自治体の首長、国会議員、地方議員、自治体幹部など関係者が出席した集まりで、千葉県議会議員は、本清議員(自民党、松戸市選出)、阿井議員(自民党、山武郡選出)、横堀議員(民主党、茂原市選出)、そして私の4人が出席した。

蛇足的に記せば、圏央道は私の地元である市川市に直接関係がある案件ではない。しかし、千葉県の経済成長を目指す政策を掲げる立場から、圏央道の建設は重要と見ており、課題として取り上げている。県議会の推進議員連盟にも所属し、昨年は陳情団の一員として国会や関係官庁を訪問した。

国会議員の先生達は、全部で10人ほど居ただろうか。後から遅刻して出席した先生を加えれば、合計で20人前後が出席したと思われる。そのほとんどは、圏央道が通過する選挙区選出の先生。型どおり、来賓としての紹介タイムがあったのは言うまでもない。

壇上に上がっていた先生達、全員の紹介が終わった後、なんと、10人ほどが、みんなゾロゾロと退出したのである。本当に多忙な先生も少なくなかっただろう。もしかしたら、主催者側から紹介が終わったら退出と求められていたかもしれない。

一斉に退出した様子は、筆者にも異様に映った。会場からも「あれは失礼じゃないか」とささやく声も・・・。紹介の後(私も紹介された)の式次は、関係自治体首長による意見表明だったが、最初に述べたある自治体の首長は「国会議員の先生が帰られてしまい、モチベーションが下がりますが・・・」と切り出し苦笑い。ジョークだったのかもしれないものの、話のネタになるほど露骨な消え方だったのである。

忙しいのは事実だろうが、皆、判で押したように、同じスケジュールとは思えない。皆が皆、出来る限り、居ようとするのであれば、ゾロゾロ帰るなどというのはありえず、パラパラと櫛の歯が抜けるようになるだろう。主催者に対して出来るだけ失礼の無いように(途中退出自体が失礼なことだが)、出席者どうしで、帰るタイミングを変えたりしたことがあるが、そうした配慮が感じられなかった。しかも、今日の総会は一般向けではなく、関係者だけの総会・・・名前が紹介されて選挙が有利になる類のものではない。セレモニーの色彩が強いとは言え、意見表明ぐらいは聞くべきと思われる集まりと思ったのである。

以上、感想のように書いたが、もちろん、私も人のことを言える立場ではない。それでも、今日のはあまりにも露骨だったので記したくなった。ちなみに、出席した千葉県議会議員、私も含めて4人全員が閉会まで居て、耳を傾けていたことを付け加えておく。