【記者魂72】ポテンシャルのある街・・・木更津を訪れて

昨日は、木更津市長選挙の告示日。先輩議員として議席をお預かりしてからお世話になった、渡辺よしくに候補の出陣式に出席するため、木更津を訪れた。

実は木更津を訪れるのは今年に入って3回目。いずれもJR木更津駅周辺の市中心部で、何度訪れても人通りが少なく寂しい。立派な商店街があるのだが、いわゆるシャッター通りと化していて、日本の地方都市の問題をそのまま映したかのような場所との印象を持っている。

聞けば、シャッター通りもかつて、アクアラインが開通する前は、駅とフェリー乗り場を結ぶ通りであるため、大勢の人が行き来したとか。アクアライン開通後は、オープン後人気を集めるアウトレットパークが象徴するように郊外に人が集まるようになり、とても人口13万人強を擁するだけではなく、人口が増え続けている市の中心部とは思えない状況だ。

もっとも、市の中心部が不便と言えば、そういうことはまったくない。むしろ、地方都市でこれだけ東京ほか各方面へのアクセスに恵まれている場所は、そうはお目にかかることはないと言っていいだろう。

何しろ、アクアラインの房総半島側の玄関口である。東京、羽田空港、横浜・・・いずれに向かうのも高速バスで1時間とかからないのである。実際、昨日は出陣式の後、所用で三浦半島の逗子市に行く予定だったので、高速バスで横浜に向かってJRに乗り換え、1時間半とかからず目的地に到着した。陸路だとこうはいかない。

これに絡んで、出陣式において渡辺候補が挨拶で述べた内容が印象的だったので要旨を紹介しておく。

「木更津市の中心部は、シャッター通りと化していますが、JR木更津駅、高速バスの発着などを考えると、本当はとても便利な場所で賑わう要素があるんです。今は、郊外に人が流れていますが、市の中心部が活性化するように取り組みます」

後で高速バスを利用して、渡辺候補が述べた“便利さ”を実感した。

思うに、行政がこれまで本気で取り組んでいなかったことが、シャッター通り化を招いたのではないだろうか。アクアラインの開通後は、フェリーの船着き場と駅の連絡通路で、何もしないでも賑わう時代ではなくなったのである。何か施策を打ち出さなければ、たとえ、人口が増えようとも、人の流れを呼び込むことはできないだろう。

ポテンシャルのある街なのだ。一般的なシャッター通り化とは背景が異なり、人口が増えているのである。行政の取り組み次第で、寂れた街が大きく変貌する可能性があると思われるので、渡辺候補が大願を成就した際には、市中心部の活性化に向け施策を打ち出すことに期待したい。

さらに、木更津に限らず、実際に利用してみてアクアラインの重要性を改めて実感した。先の議会答弁で、通行料金800円の社会実験について森田知事は「10年は続けたい」としていたものの、県内産業の発展を考慮すれば、恒久化の実現を目指すべきと考えている。