【真実を発信467】地元市川市のインバウンドを考える

インバウンド(海外観光客誘致)が真っ盛りとなっています。政府の観光政策による後押しや、昨今の円安によって海外からの観光客はこのところ急増。中国人による「爆買い」なる社会現象も生じました。

成長戦略を考える上で、インバウンドは有効な施策と言っていいでしょう。産業区分としては、来日客が観光やお土産購入などで国内にお金を落としておくため、内需ではなく輸出の一環としてカウントされます。高齢化の進展、人口減少などによって内需がスローダウンすると心配される中で、貴重な収入源になるためです。

ただ、「総論」・・国の政策としては有効ながら、「各論」・・どこの地域でもという訳にはいきません。観光地がある、集客スポットがある・・こうした地域は、より地域経済を活性化させるためにも積極的に取り組むべきと思われますが、みるべき観光資源などがない地域では縁が無い施策と言えるでしょう。

都道府県単位でみると、アクセスでの有利不利はありながらも、それなりの”資源”があるので、あとは自治体ごとの取り組み次第ということになります。別に、売りにするのは、オーソドックスなタイプの観光資源でなくても構いません。海外観光客の中には、観光地ではなく、”神秘の国と映る日本を体験したい”といった人も少なくないのです。棚田をみたい、お祭りを体験したい、日本の農産物を現地で堪能したい・・工夫次第で呼び込めると考えられます。

議員の時にインバウンドを政策として取り組んできましたが、千葉県の場合、日本の玄関口である成田空港という資源があり、これを軸に様々な施策を考えてきました。海外からのお客さんは、必ず空港、或いは港から入国するため、それを活かせばいい訳です。素通りさせないためには、何が必要か・・そんなことを考えてきました。問題視された地方空港も、国際空港であれば、”お荷物”が”資源”に生まれ変わることも可能だと思います。

さて、表題に示したように、私の地元である市川市のインバウンドについて考えてみましょう。

市川市には、中山法華経寺などいくつかのスポットがあります。法華経寺の参道は、”日本を味わえる”スポットと言えますが、海外観光客のルートに入るだけの知名度はありません。東京ディズニーリゾートがあるお隣の浦安市に比べると、インバウンドを・・というには厳しいものがあるのが正直なところです。

だからと言って、諦めてはいけません。法華経寺のアピールといったスポットとしての強化も必要ですが、他に資源になりうるものがあり、それを軸にした施策を考えれば良いのです。

それは、京成八幡駅周辺の活用。海外からお客さんは、都心に出る際、鉄道・バスを利用する人が大半ですけど、その中で、京成電鉄の京成本線(スカイライナーなど北総線経由ではない)に乗車、京成八幡駅で都営新宿線に乗り換える人にターゲットを絞り、駅周辺に乗り換え時間を割いて貰い、少しでも滞在して貰う施策が有効でしょう。

実際、京成八幡駅の改札口では中国系、東南アジア系、欧米系の観光客グループに遭遇します。八幡の再開発も終盤を迎え、最後に完成する商業棟には、家電量販店が入るとのことですし、海外客が乗り換えに使う好ロケーションを活かした施策を打ち出せば、インバウンドによる八幡地区の街づくりも可能ではないでしょうか。

必要なのは工夫です。乗り換えに降り立つ海外観光客を、指を咥えて見ているだけというのは勿体ないこと。どこまでできるか、何ができるのか・・今後、ますます海外からの観光客が増えると想定されるうえ、2020年の五輪開催までまだ時間があるので、それらを考え、微力ながら自分も出来る限りのお手伝いをしたいと思っています。

(1)京成八幡