【真実を発信(10)】カジノ誘致、千葉県は“周回遅れ”

真実を発信 去る8月25日に超党派の国会議員でつくる「国際観光産業振興議連」が、カジノを合法化するための基本法である「カジノ区域整備推進法案」を正式決定し、今秋の臨時国会に提出する方向となっています。

 これによって、いよいよカジノが合法化に向けて動いた訳で、千葉県でも今後、議論が活発化しそうな状況となりました。法案ではカジノをはじめ、国際会議場や宿泊施設などが一体となった「特定複合観光施設」を整備、外国人観光客の誘致や地域振興を目指す訳ですが、先行して導入したシンガポールでは大幅な税収増、雇用増などをもたらしたことから、実現すれば日本でも経済効果をもたらすかもしれません。

 カジノ=賭博というイメージから、反発も小さくありませんが、今回は運営業者から徴収する納付金を復興財源に充てることができるという条項もあり、大きな反発は起きないとの見方も生じています。

 IR(統合型リゾート)と称するこれら施設、カジノだけではなく、各種アイテムで新しい観光スポットとしての期待が大きくなっています。国内では20カ所ほど名乗りを挙げており、当初2カ所程度、最大限で10カ所とされる区域指定されるために、候補地の誘致合戦が活発化していくでしょう。沖縄、大阪、東京、宮城、そして千葉などの動きが目立ちます。

 千葉県においては、成田空港の活性化から成田が有力候補。「成田空港緊急戦略プロジェクト会議」を設置しています。このほか、成田、羽田のいずれからもアクセスの良い幕張メッセ(千葉市)や、木更津市も誘致の動きが出ています。

 しかし、千葉県の取り組み、他に比べて出遅れていると言わざるを得ません。たとえば、大阪府では、大阪エンターテイメント都市構想推進検討会が研究会を直近1年間に6回開催、IRに関する基本的な考えをまとめているのに対し、千葉県では調査報告書がまとまるのは来年3月、そこから施設提案に向けた検討を行うとしています。

 成田空港というインフラがあり、優位性があると思われる千葉県。ですが、取り組みは“周回遅れ”と言えるかもしれません。よほど、追い込まないと、県内誘致、難しいとの印象を持ちました。みんなの党では、先にこの問題について千葉県議団と千葉市議で協議しましたが、とにかく急ぎ取り組む必要がある──そう議会でも取り上げる考えです。

(水野 文也記す)