【記者魂78】たいていのヤジは特定できる

塩村あやか都議に対するセクハラヤジの問題、収束する気配はまったくない・・・というか、このまま、うやむやにしてしまってはならないと思っている。

ヤジの質が極めて悪質である(本来、ヤジは不規則発言であるため、”質”云々を議論する対象とはならないかもしれないが)うえ、少子化問題や働く女性のための施策に、逆行するがごとき発言であり、「お前はヤジを浴びた議員が所属するみんなの党の人間だからだろう」と言われようとも、はっきりその点だけは申し上げておきたい。

この問題はヤジの内容や発した議員の品格といった点から、組織的にヤジを浴びせた議員を匿う、といったような、“隠ぺい”に対して批判が広がり始めた。個人の問題から、組織の問題に発展しようとしているのである。何事でも不祥事というもの、“隠す”ことが事態を一段と悪化させた例は枚挙に暇がない。

さて、ヤジは特定できないものなのか・・・100%の確率とは言わないながら、かなりの確率で特定できる、特定できないまでも絞り込めると、自分の経験から断言しておく。

新人議員でも、1年くらい経過すると本会議場の雰囲気はおおよそ掴めるようになる。全議員と会話することはないまでも、個々の議員のキャラクターはわかってくるものだと思う。

たとえば、”ヤジ将軍”と言われるような議員は、そう大勢いる訳ではない。発言に対する“笑い”や、議長の「お諮り致します。ご異議ありませんか?」に対する「異議なし!」という発声(議事録には「異議なし」と叫ぶ者ありとか記述される)や、発言に賛同する「そうだ!」「その通り」などの叫び声は別として、そもそもヤジを発する議員は限られるのだ。そこからも、ある程度は絞り込むことができる。

千葉県議会だけではなく、傍聴する機会が多い市川市議会でも、ヤジを飛ばす議員はだいたい決まっており、時に、記憶にハッキリと残るものがある。同市議会では党所属議員の追及に対して、反対勢力の議員から「みんなの党はもうすぐなくなるよ」といったヤジが浴びせられ、これなど傍聴席で怒るどころか、思わず苦笑してしまった。もちろん、これを発言した議員は自信を持って特定できる。

ましてや隣で何か叫べば、わからないはずがない。音声があれだけはっきり残っているので、なおのこと。確たる証拠がないだけに、飛ばされた側も特定しないし、飛ばした側もとぼけ続けている・・・それが実際のところで、ゆえに、声紋分析を行い真相を解明しようとしているのだ。マイクがしっかり拾うほど大きな声のヤジであれば、塩村議員が浴びた後に向いた方向、声質などから特定できるはずだ。

いや、わからないケースもある。寝ていれば当然気が付かないが、それはそれで、別の意味で問題だろう。好意的に解釈(と書くのもおかしいが)すれば、ヤジを発した周辺の議員は全員寝ていたのかもしれない。

これだけ事が大きくなったのは、発した当人が”隠れ続ける”とともに周辺が”庇い続ける”ためだ。発した議員には適切な行動をとって欲しい。

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