【記者魂92】力尽きた”空の第三極”、スカイマークが民事再生法適用を申請

誠治の政界での”第三極”は、昨年、みんなの党は消滅しながらも、暮の維新の党が現有議席の微減で踏みとどまり、依然として存在感を示しているものの、”空の第三極”はそうならかったようである。

新興勢力の代表的な存在だった航空会社は、平成14年に民事再生法の適用を受けたエア・ドゥに続き、昨日、スカイマークも民事再生法の適用を申請し、破たんした。

航空分野は、手厚い規制に既存の全日空、日本航空の2強が守られる、かつては新規参入が難しい分野だったことは記憶に新しい。それが規制緩和され、格安運賃を武器に、スカイマークなど新興勢力が台頭。しかし、圧倒的な競争力がある2社(いったん破たんしたJALの強さに関しては異論も多いと思う)の前に力尽きた格好となった。

原油高、円安といった要因のほか、エアバスへの違約金支払い問題が大きいと言われるが、肝心の搭乗率もLCCに押されて低下した点に目を向けるべきであろう。中途半端な価格・・そう消費者の目に映ってしまうと、サービスの2強、価格のLCC・・いずれかに顧客が流れるのは想像に難くない。

国交省は、航空会社のドル箱である羽田発着枠の優遇等で後押ししながらも、やはり、顧客に魅力をアピールできなければ、行政のサポートも徒労に終わってしまう。

そして、何よりも、破たんの要因として大きいのは、資金の行き詰まりだ。当初、無借金経営を売り物とし、特定の金融機関の後ろ盾がないことも響いたとみられる。

規制緩和が実現したとしても、前に阻む壁が厚いと、より強靭な体力がないと、ビジネスとしては難しいと印象付けた格好。しかしながら、汽船緩和された業界で、携帯電話など、むしろ、既存勢力だったNTTドコモは押され気味という例もある。

その点、スカイマークの場合、経営に問題が無かったとは言えず、今後、岩盤規制が突破され様々な分野でビジネスのチャンスが広がった場合、”壁を突き破る”ために、体力や経営センスが問われる・・そう思わせた。